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概況
2023年度はコロナ禍からの経済回復が進んだ一方、世界的な物価の高騰や欧米の中央銀行による利上げの継続懸念等による不透明な運用環境が継続しました。
そのような中、当会はNTTグループの従業員・退職者・ご家族の皆様の安心な暮らしをサポートすべく、以下4つのポイントで事業に取り組みました。
- 相互扶助部年金(NTTグループ個人年金)のサービス価値向上による加入促進
- 遺児育英基金の安定的かつ確実なサービス提供
- 収益(給与控除)事業の適切かつ効率的なサービス提供
- 業務変革(DX)による業務効率化・生産性の向上
そのほか、近年の情報セキュリティリスクの高まりやリモートワークの進展等の環境変化に対応するため、情報セキュリティ管理の強化を図りました。
財務状況については、堅調な株式市場や円安の影響により計画を上回る運用収入を確保したほか、将来の年金支払いに備える責任準備金の計算の基礎となる利率(割引率)が市場の金利上昇を反映して8年ぶりに変更となり責任準備金が大きく減少したこと等により、会全体の当期利益は378億円、期末正味財産は883億円となり、更なる財政の健全化を図ることができました。
相互扶助部事業
(NTTグループ個人年金)
■安定的な年金サービスの提供に向けた新規加入の促進に取り組みました。
・各社との連携強化、新入社員への取組み強化、年代別オンライン説明会の実施等
⇒ 3,599名の新規会員(5年連続で3,000名超)
■魅力ある年金サービスを提供するための制度見直しを行いました。
・ 年金受給権者の年金給付率・据置率を現役会員の給付率と同率に
・退職給付金の一時金乗率(減額率)を20%から4%まで段階的に引き下げ
2023年度 | 2022年度 | 増減 | |
---|---|---|---|
相互扶助部会員数 | 56,654 | 58,558 | ▲1,904 |
新規会員数 | 3,599 | 3,735 | ▲136 |
年金受給権者数 | 74,123 | 79,548 | ▲5,425 |
■資産運用収入が大きく増加しました。
(前年比+192億円)
・ 堅調な株式市場、円安影響等 ⇒ 運用収入 146億円
■責任準備金が減少し、財政負担が大きく軽減されました。
・予定利率(割引率)の変更による責任準備金の減少(▲489億円)
⇒財政負担が大きく軽減(負債の減少とともに減少分は収入に計上)
・ 期末正味財産は720億円 更なる財政の健全化を図ることができました。
2023年度 | 2022年度 | 増減 | |
---|---|---|---|
資産 | 4,203 | 4,319 | ▲115 |
負債 | 3,483 | 3,979 | ▲496 |
正味財産 | 720 | 339 | 380 |
項目 | 2023年度 | 2022年度 | 増減 |
---|---|---|---|
収入 | 746 | 698 | 48 |
支出 | 365 | 398 | ▲33 |
当期利益 | 380 | 299 | 81 |
遺児育英基金事業
■制度(給付対象者や申請期間等)の見直し、認知度向上に取り組みました。
■申請に基づく対応に加え、申請が無くとも当会からプッシュ型で確認を行うことで請求漏れを防止するなど、ご家族の皆様の安心の実現に努めました。
■海外グループ会社への拡大(2024年4月~)の準備を進め、2024年4月から一部の会社に対し開始しました。今後徐々に拡大していきます。
■持続的なサービス提供に向けた運用資産の見直しに取り組みました。
項目 | 2023年度 | 2022年度 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
遺児育英基金 受給者数 |
376 | 384 | ▲8 | |
(参考) 新規申請者数 |
57 | 42 | 15 |
火災共済事業
■既存の契約に関する確実な給付金の支払い等、安定的な運用に努めました。
(2019年7月末で契約更新の受付を終了)
収益事業
【給与控除事業】
■安定的な事務手数料収入の確保、効率的な業務運営に努めました。
(不動産賃貸事業)
2022年度末までに全ての不動産の売却・引き渡しを完了しました。
2023年5月に事業を廃止しました。
その他の重要な取り組み
■社員選挙の実施
・任期満了に伴い、個人選出社員100名、法人選出社員10法人を選出しました。
・電子投票方式を導入し、利便性向上・業務効率化に取り組みました。
■働き方改革の推進
・NTTグループのセキュリティ基準に準拠したリモートワーク端末による業務の本格運用を開始しました。
・ ABW(Activity Based Working)を実践するオフィス環境整備を実施しました。
・ ペーパーレスを基本とした働き方への変革に取り組みました。
■DXの推進
・経理業務プロセスを見直し、電子ワークフローを導入し効率化・ペーパーレス化を実現しました。
・保管資料の電子化、複合機や書庫の削減を図りました。
正味財産増減計算書(会全体)
2023年度 | 2022年度 | 増減 | |
---|---|---|---|
収入 | 752 | 710 | 41 |
支出 | 373 | 414 | ▲40 |
当期利益 | 378 | 296 | 81 |
貸借対照表(会全体)
2023年度 | 2022年度 | 増減 | |
---|---|---|---|
資産 | 4,391 | 4,516 | ▲124 |
負債 | 3,507 | 4,010 | ▲502 |
正味財産 | 883 | 505 | 378 |